活動報告

平成26年7月 新しい大崎市民病院がグランドオープンしました

病院外観

設計のコンセプト

①機能面:救急・放射線・手術・ICU・分娩・NICUを直結した「理想的な救急動線の実現」
②職員にとって「機能的で働きやすい病院」
③「徹底した省エネ・環境配慮」
④「運用とハードの融合」
⑤外観面:地中海カラーと病院らしい白色を組み合わせた「ぬくもりのある病院」

1階エントランスホール

「1階エントランスホール」

外来

 1階と2階に59の診察室を,7つの外来ブロックに分けて配置。

外来ブロック受付

「外来ブロック受付」

 外来ブロック内では,特殊な設備が必要な診察室を除き,フリーアドレス制を採用,効率的な運用を図る。外来の進行状況がどこからでも確認できるよう,院内の利便施設,休憩スペース等に患者呼込表示システムを設置し,待ち時間の有効活用を図っていただくことで,心にゆとりを与える静かな外来を実現。
 外来化学療法室は,12床から24床へ増床して2階に配置。サテライトファーマシーや中央処置室と隣接させることにより,医療の効率性と安全性の向上,部門間の連携の強化を図った。

化学療法室

「化学療法室」

病棟

 病棟は,4階から8階までに設置。中央にエレベーターホールやラウンジ・食堂を配置し,両側に2本の通路を配したダブルコリドール型で構成。病室は1床室及び4床室とし,従来より病室面積を拡大し,ベッドから窓の景色が見下ろせるようにすることで,療養環境の改善を図った。また,全室にトイレ,洗面台,PPE(患者防護用具)を設置。患者案内表示は液晶モニター化した。
 病棟の中央南側に設置したラウンジ・食堂からは,大崎平野のパノラマを望むことができる。
 各病棟階の廊下の両端部は全面開口され,外光を導く明るく開放的な空間とし,視野の広がるデイコーナーを設置。

病室(4床室)

「病室(4病床)」

 さらに,特別な機能を有する病床としては,周産期医療の要となるNICUやGCUなどを整備したほか,無菌室は従前の5床から8床へ増床。

手術室

 手術室は,ハイブリット手術室,感染用手術室,バイオクリーン手術室等を導入。
 手術件数の増加に対応するため,移転前の8室から12室に増床。

高度医療機器

 放射線部門は1階に集約。がんの診断・治療を向上させるため,県北初となるPET-CTや,患者さんへの負担軽減を目的として高度変調照射が可能な2台の放射線治療装置を設置。

放射線治療装置

「放射線治療装置」

 CTは320列1台,80列2台,MRIは3.0テスラに更新。SPECT,血管造影撮影装置,キャビン型紫外線治療器等の充実を図った。

血管造影撮影装置

「血管造影撮影装置」

救命救急センター

 救急外来から直結する放射線部門への横の導線と,救急外来から手術センター・ICU・周産期センター(分娩室・NICU)への大型エレベーターによる縦の導線を取り入れ,救急患者への迅速な対応を可能としている。屋上にヘリポートを整備し,ヘリコプターによる救急搬送にも対応。病棟は,ICU8床,CCU4床,HCU18床で構成。縦型コンソールを採用することで,医療空間を最大限に確保しスペースの有効活用を図った。

救急外来受付窓口

「救急外来受付窓口」

臓器別・疾患別センター制の採用

 新病院では,5つの臓器別・疾患別センター制を採用。臓器別・疾患別センター制の採用により,患者中心の高度なチーム医療の提供を行う。

循環器センター

 心臓血管外科の常勤医師を招致し,開心術を開始することで,宮城県北では循環器内科と心臓血管外科を開設する唯一の医療施設となりました。
 ハイブリッド手術室の整備により,治療の選択肢が格段に広がりました。

脳神経センター

 最新医療技術を駆使し,脳塞栓症に対する血栓溶解療法に加え,カテーテル技術を用いる脳血管内治療のほか,神経内視鏡を用いた小さな傷口で行う脳内出血の除去などを積極的に行っています。24時間体制下の救急医療と高度先進医療が使命であり,慢性期のリハビリテーションや介護に関しては,周辺施設との地域医療連携ネットワークを活用し,地域完結型の医療を目指しています。

呼吸器センター

 呼吸器外科の常勤医師を招致し,胸腔鏡下生検や手術にも対応可能となりました。呼吸器内科と呼吸器外科が緊密に結びつくことによって,呼吸器疾患の早期診断・早期治療が可能となり,効果的な治療を実現する体制を整備しました。

周産期センター

 妊娠,分娩,産褥,新生児管理を連続したひとつのユニットとして捉え,産科と小児科(新生児部門)が緊密な連携による診療を行うことが可能となりました。産科部門は20床に増床するとともに,新生児部門は新たにNICU6床を設け,高度な新生児管理を行える体制を整備しました。

がんセンター

 宮城県北唯一の「地域がん診療連携拠点病院」として指定を受け,診断・手術・放射線治療・化学療法とそれぞれの専門医が協力して診療を行い,多職種とともにチームで患者を支える医療を行っています。PET-CT,放射線治療装置の設置,外来化学療法室のベッド増床及びがんサロンの設置等,がん医療の充実を図りました。 

省エネ・環境配慮した設計

 東日本大震災の被災経験をもとに,省エネルギー性と防災対策を両立させた設計を行った。

省エネルギー対策

 太陽光発電。地元蕪栗沼産のヨシや鳴子温泉地域の間伐材を原料としたペレットを使用したボイラーを設置し,給湯装置として使用。
 屋上緑化による空調負荷低減。Low-E複層ガラスによる窓の断熱強化。
 LED照明及びLED無影灯の使用による高効率化。

防災対策

 本館は免震構造、エネルギーセンターは耐震構造を採用。
 電力は2回線の電源を受電する方式を採用。
 ガスは高い耐震性の中圧にて受給。
 井水処理装置を設置し,井戸水の利用によるライフラインの強化を図った。

職場環境の整備と利便施設

 子どもを持つ職員が安心して働けるよう,院内保育所の再整備を行いました。0歳児から小学校就学前までの乳幼児を対象として,定員を86人と増やし,通年開所,夜間保育は週3回(月・水・金)実施し,働く職員のサポートを行っています。
 病院内には,職員用と一般用のレストラン,コンビニエンスストア,フードコート,ヘアサロン,ATM,コインランドリー等を設置し,職員のみならず患者や来院者にとっても満足度の高い環境を整備しています。
 1階南側には,東西に約100メートルの明るく開放感のある「ほなみモール」を整備し,絵画展示スペース,コンビニエンスストアサテライト店舗,カフェチェーン店,公衆電話ボックス,待合スペース等を設置し,大規模災害発生時には,トリアージや応急処置の場所としても利用します。

レストラン(一般用)

「レストラン(一般用)」

今後の展望 ~ 県北を支える基幹病院へ ~

 平成26年5月29日,東北大学大学院医学系研究科と「先制医療の研究・診療に従事する優れた専門的人材育成の連携に関する基本協定書」及び「連携講座に関する協定」を締結し,平成27年4月から,当院内において「宮城県北先制医療講座」を設置する運びとなりました。これにより,臨床研修医師の増加,医師の定着,人材育成等が図られるものと期待しています。
 当院の果たすべき役割は,県北約30万人の住民の生命を守る医療圏のリーダーとして,地域の医療機関や地元医師会との綿密な連携を充実させ,初期救急から三次救急まで切れ目のない体制を構築することです。当院が先導する地域完結型医療への取組みは,県内においても,モデルケースの1つとして,大きな注目を集めるものと考えております。職員一同,決意を新たにし,市民皆様から信頼される医療の提供を目指して,全力を尽くしてまいります。

病院外観

病院の理念、基本方針、施設規模、診療内容、沿革等の詳しい内容については、大崎市民病院ホームページの「会員紹介」のリンクから、大崎市民病院に簡単にアクセスできますのでご利用ください。

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